本記事では、2025年4月からサービスを開始した「au Starlink Direct」について解説します。
5Gや4Gで通信できない圏外エリアでも、衛星との通信が可能になるサービスです。
現在は日常生活で圏外になることはほとんどないものの、今後は山間部や海上といった圏外エリアでも簡単な通信ができるようになります。
au Starlink Directの特徴
au Starlink Directとは
au Starlink Directとは、スマホを衛星(スペースXのStarlink)と接続して通信するサービスです。
通常、スマホは地上にある基地局と接続することで5Gや4Gで通信していますが、基地局がない山間部や海上では圏外になり通信できませんでした。
しかし、今後は宇宙を飛んでいるスターリンクと接続することで、基地局がない場所でも通信が可能になります。
au Starlink Directでできること
au Starlink Directは衛星と接続することでこれまで圏外だったエリアでも通信ができるサービスですが、圏外のエリアでも通話ができたりYouTubeが視聴できるわけではありません。
できることは限られているため、基本的には圏外エリアでの緊急連絡などに使うのがメインになるでしょう。
au Starlink Directでは、現時点で以下が可能です。
- テキストメッセージ
- AIとの簡単な会話
- メッセージアプリによる位置情報の共有
- 緊急速報メールの受信
au Starlink Directにより、圏外エリアでもiOSの「メッセージアプリ」やAndroidスマホの「Googleメッセージ」でテキストのやり取りができます。
また、iPhoneは「シンプルAIチャット」、Android端末では「Gemini in Google メッセージ」により、上記アプリ内でAIにより質問に対する簡単な回答が得られます。
ブラウザでのWeb検索はできないものの、これを使えばちょっとした調べものも可能です。
また、圏外エリアでも緊急地震速報/津波警報/国民保護情報(Jアラート)などが受信できます。(一部対象外あり)
さらに、メッセージアプリを通じて位置情報(現在地)が共有できるので、圏外エリアで遭難した場合などにどこにいるかを知らせることができます。
au Starlink Directの料金
auユーザーなら、au Starlink Directの利用料金は当面無料です。
また、メッセージアプリによるSMSの送信料も当面無料です。
いずれ有料化されるかもしれませんが、当面は無料で使えるので、圏外に行った際にはぜひ今のうちに試しておきましょう。
申し込み不要だが設定が必要
au Starlink Directは、auユーザーなら申し込みも不要です。
au Starlink Directの対応端末にauのSIMを入れて使っていれば、申込不要で使えます。
ただし、au Starlink Directを使うにはiPhoneは「衛星通信をONにする」、AndroidはSMSアプリのデフォルトを「Googleメッセージ」にするなど、事前に各種設定が必要です。
設定手順はこちらで確認してください。
au Starlink Directの対応端末
au Starlink Directは対応端末が限られます。
iPhoneならiPhone 14シリーズ以降、Google PixelならGoogle Pixel 9シリーズ以降などでしか使えません。
また、同じ機種でもauやUQモバイル以外で購入した端末では使えない場合もあるので注意してください。
au Starlink Directの対応端末はこちらで確認できます。
詳細:au Starlink Direct対応端末 | au
UQ/povoや他社回線でも使える
2025年5月から、auだけでなくUQモバイル、povoや他社回線のユーザーもau Starlink Directが使えるようになりました。
ただし、利用にはau Starlink Direct専用プランの契約が必要です。
au Starlink Direct専用プランは圏外エリアでも衛星と接続して通信ができるほか、au 4G LTEエリア内でも、月1GBまでデータ通信が可能です。
通常料金は月額1,650円ですが、2025年6月30日までに申し込めば申込当月から6カ月は無料で使えます。
また、UQモバイルのコミコミプランバリューとトクトクプラン2の契約者は、7カ月目以降も月額550円で使えます。
申込当月から 6カ月 |
7カ月目 以降 |
|
---|---|---|
他社回線 の契約者 |
無料 | 1,650円/月 |
UQ対象プラン の契約者 |
無料 | 550円/月 |
詳細:au Starlink Direct(他社・UQ mobileの方向け)
au Starlink Directの注意点
音声通話はできる?
au Starlink Directでは現時点で音声通話はできません。
例えば山間部で遭難した場合、メッセージアプリのテキストメッセージや位置情報共有により助けを呼ぶことはできますが、音声通話で直接会話することはできません。
音声通話にもいずれは対応する予定とのことですが、現時点で目途は立っていないそうです。
データ通信はできる?
au Starlink Directでは圏外でもデータ通信ができるようになりますが、何でもできるわけではありません。
現時点でできることはメッセージアプリによるテキストのやり取り、位置情報の共有、AIによるちょっとした調べもののみです。
通常のデータ通信(WebサイトやSNSの閲覧、動画の視聴、音楽ストリーミングなど)はできません。
ただし、こちらは2025年夏以降に対応予定です。
衛星を使った通信のため、通常の4G/5G通信と全く同じではない可能性もありますが、しばらく待てばできることは大幅に増えるでしょう。
LINEはできる?
現時点で、LINEによるやりとりはできません。
音声通話、ビデオ通話はもちろん、テキストのやり取りもできません。
現時点でテキストのやり取りができるのはメッセージアプリを使った場合のみです。
ただし、こちらも2025年夏以降にデータ通信に対応すれば、少なくともテキストのやり取りはできるようになるかもしれません。
使えないiPhoneは?
au Starlink Directは対応機種が限られます。
iPhoneで対応しているのは、2025年5月10日時点で以下の機種のみです。
- iPhone 16 Pro
- iPhone 16
- iPhone 16e
- iPhone 15 Pro Max
- iPhone 15 Plus
- iPhone 14 Pro Max
- iPhone 14 Plus
- iPhone 16 Pro Max
- iPhone 16 Plus
- iPhone 15 Pro
- iPhone 15
- iPhone 14 Pro
- iPhone 14
iPhone14シリーズ以降なら、auやUQモバイル以外で購入した端末でもau Starlink Directが使えます。
一方、iPhone13シリーズ以前の機種ではau端末でもau Starlink Directは使えません。
また、iPhone SE 第3世代やiPhone SE 第2世代も非対応です。
詳細:au Starlink Direct対応端末 | au
au Starlink Directの詳細はこちら
以上、auで開始したau Starlink Directの詳細でした。
対応端末なら4G/5Gの圏外エリアでも衛星と接続して通信ができるようになりました。
日常生活で圏外になることはほとんどありませんが、auユーザーも当面は無料で使えるので機会があれば試してみましょう。
au Starlink Directの最新情報はこちらを参照してください。